井坪工務店

「広くて大きな家に住む」ということがステイタスだと考えられてきた日本人の住宅観。 そんなイメージも、昨今少しずつ変化が見えてきているように感じませんか。 車でも性能や燃費に優れたコンパクトカーが主流となってきているように、住宅でも、無駄なスペースをなくして必要最小限の空間に抑え、 そのぶん「心地よく暮らす」ことに価値を置く人たちが増えてきているのです。 広さを抑えることで、自然と家族の距離も近くなり、コミュニケーションもしやすくなります。 冷暖房費などの生活コストが抑えられるメリットもあります。 「そうはいっても、窮屈な空間でのびのびできなかったら意味がないのでは?」 もちろんおっしゃる通り。 そこでぜひとも暮らしに取り入れたいのが「アウトドアリビング」という考え方です。

リビングから繋がるデッキやテラス、バルコニーを大きめに設けて、外用のダイニングセットを一式揃えてみましょう。 お天気のよい日中は、そこで食事をしたりお茶をしたり。 青空のもと、爽やかな空気も一緒に味わえば、ピクニック気分で食事も一段と美味しく感じます。 夏ならば夜、キャンドルを灯しながら、涼しい風を感じてビールで乾杯というのもオツなもの。 これまでのように、ちょっと雰囲気を変えたくて外食へ、という必要もなくなるかもしれません。 そのほか、BBQグリルを常設したり、ハンモックをかけたり、海の家気分でパラソルにビーチチェアを並べてみたり……。 アウトドアならではの楽しみ方は幾通りにも広がっていきます。

外と内の境界をなくし、外の自然をゆるやかに内にも取り込むというスタイルは、もともと古くから日本人の生活・風習に深く根ざした考え方でもあります。 大きな屋敷にはそこここに日本庭園を設えた中庭があります。 室内空間は常に庭に対して開かれ、春には花見、秋には月見…と、室内にいながらにして移りゆく四季の情景を上手に楽しんでいました。 長屋など一般的な庶民の住まいにも、共同で使用する中庭などがあり、その庭へと繋がる縁側で、お茶を飲んだり、昼寝をしたり、繕い物をしたり。 季節に寄り添い、外と内とのあわい(間)で心地よく暮らすー。 「アウトドアリビング」という発想は、穏やかな気候と四季に恵まれた日本ならではの、暮らしを広げる知恵のひとつだったのです。